ヒョードーによるDIXON(ディクソン)ファクトリーツアーレポート!

ヒョードーによるDIXON(ディクソン)ファクトリーツアーレポート!

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

こんにちは。大宮店のドラム担当、MyDRUMS「X」アカウントの中の人のひとりヒョードーです。

だいぶお待たせしましたが、9月のPearlファクトリーツアー2024後に私と本社担当は2日かけてDIXONのファクトリー見学に行っておりました。

DIXONは社外秘が多くお写真も少ないですがお楽しみいただければ幸いです!

それではどうぞ。

さてPearlファクトリーツアー2024のみなさんをホテルで見送ったヒョードーと本社担当。

なんと島村楽器の2人はまさかの台湾延泊!

向かった先は島村楽器が輸入代理店を勤めているDIXON(リライアンス)へ。

Pearl楽器と同様に台中市内にあります。

~DIXSONとは~

DIXON(ディクソン)について

DIXONは1979年創業の台湾のドラムメーカー。自社製品のみならず様々なメーカーのOEMも手掛け、その品質は35年以上にわたり世界中の様々なプレーヤーをバックアップしてきた経験に基づいて生み出された良質なサウンドと堅固な作りが特徴です。

主な使用ドラマーは

DragonForceのGee Anzalone(ジー・アンザローネ)

ZackGrooves(ザック・グルーヴス)

ストリートドラマーリエイさん

是非動画をチェック!

それではさっそくファクトリーツアースタート!

昨日のパール楽器さんの工場と比較するとコンパクトな印象を受けます。

まずは材のチェックから。

こちらでシミ、節や割れなどがないか入念にチェック。

3つのランクに分けられ、ランクごとにカットしていきます。

このあとは材の接着作業です。

1番上にランクされた材はシェルのアウターに、2、3番手の材はインナーに使用します。

接着に使用する接着剤は天然由来のもので化学物質を使用していないため、人体にも環境にも優しいとのこと。

接着剤を機械で均等に塗布し窯に入れて接着します。残念ながら撮影NG!でしたがPearlファクトリーで拝見した窯と同じような形状。

天候によって多少の差異がありますが約90度で熱して10分ほどで接着完了。

はみ出てくる接着剤の色も焼き上がりの参考にしているそう。

出来上がったシェルはこの後倉庫で1週間ほど保管します。

次はサンディング(研磨)の工程へ。

7〜8ほど工程があり、徐々にシェルの表面を滑らかにしていきます。

同じフロアで最初のクオリティチェックを実施。

こちらのクオリティチェックはベテランの女性スタッフ1人によって行われており、厳しい検品を通過したシェルが穴あけの工程に進みます。

より正確に穴をあけていくためにPCで管理。

目の前では機械による正確な穴あけが行われていました。

ちょっとより道してカラーサンプルの部屋へ。

この塗装も同じように見えてメーカーごとにやり方が異なったりすることが多く、各メーカーのこだわりが見えて私は大好きです。

さあサンプルを見た後は塗装の工程へ。

なんと塗装を行っているお部屋は入室禁止。

なぜなら減圧室だから。

塗装がより定着しやすくなる効果を狙っているとのこと。

機械塗装と職人さんによる塗装の2工程があり、単色以外で、機械では難しい塗装とArtisanシリーズは職人さんの手作業により塗装されます。

塗装が終わったら横の倉庫に保管、その後サンディングの工程へ戻り終わったら再度塗装、乾燥を繰り返すこと7〜8回。

時間にして1週間。ようやく塗装の工程が終了します。

ここで2度目のクオリティチェックです。

このクオリティチェックを通過し、バッジがつけられエアベント(空気穴)が空けられます。

最後の工程、パーツ各種を取り付けていきます。

3人一組でラグの取り付け、ヘッド、フープの取り付けを行い、最後の1人が総チェックを担当。

こうして完成したドラムは世界各地へと送られていきます。

見学を終えてオフィスに戻ってきた我々の目に飛び込んできたのはサンプルと思われるド派手なスネア!

素材はブラス。

なんと2週間かけてシェルの表面にレーザーを当て作り出したそう。

もちろんDIXONのスネアの中でも最も高価になる仕上げでもあり時間もかかる、しかし最大の問題は”人”だとのこと…

この問題が解決したら前向きに制作を考えるよ!とのことでした。

最後に現在工場裏に建設中の建物を見せてくれました。

注文が入った商品を自動で振り分け、少人数で効率的に発送できるようにするとのこと。

来年9月からの稼働を目指しているそうです。

ドラムを作るためにもっと効率的なことはないか?

塗装方法やカラーバリエーション、より使いやすいドラムを作れないかと、新しいことに常にチャレンジしているという言葉がとても印象的でした。

サンプルスネアの美しいレーザー彫刻、コンパクトな工場や減圧された塗装ブースがまさにその象徴ではないかと思います

翌日はハードウェアの工場へ!

翌日はこんな台湾らしい風景を見ながら、ハードウェアの工場へ。

ドラムを作っている工場からは車で20分ほど。

こちらも申し訳ないのですが、社外秘が多くお写真がほぼありません・・・

パーツのメッキ加工から始まり、成形、組み立て、出荷までこの工場で行われています。

印象的だったのは写真の通り、人の手による作業工程が非常に多かったこと。

例えばDIXONのペダルの黒いビス。

こちらも職人さんの手によってひとつひとつ取り付けられていきます。

人の手による細かな作業によって不良が少なく、高品質な製品が作られているのを実感しました。

この後は台湾でのドラム製造についての貴重なお話をお伺いすることができましたが、こちらも社外秘を含む内容でしたので度々申し訳ございませんが割愛させていただきます。

最後に

皆さんいかがでしたでしょうか?

私個人としては今まで‘おそらく‘もしくは‘だろう‘と思っていたドラムの製造に関する答え合わせができました。

もっとお話ししたいことも山ほどありますが、もし”聞きたい”、”聞いてみたい”と思ったかたは是非大宮店のドラムショーへ遊びに来ませんか?

2025年1月25日(土)~2月2日(日)まで様々なイベントや豊富な商品を揃えてドラマーの皆さんをお待ちしております!

この記事を書いたのは

大宮店 ヒョードー

YOSHIKIさんに憧れドラムを始め、すっかり沼にはまって早15年。洋楽、邦楽問わずいろいろ聞きます。
高橋幸宏さんのような正確なビートも大好きです。
大学時代にぼろぼろのLM402をレストアしたりなどなど、気づいたら楽器屋さんに。
現在はPearl SY1455「神鳴」とLudwig LM400のビンテージの2台持ち。
趣味は釣り。