バンド練習や個人練習でスタジオでドラムを演奏するドラマーさんに是非持っていただきたいマイスネアドラム。
マイスネアを持つ事の意味、楽しさはこれまでもご紹介して参りました。
自分の楽器で練習や演奏をすることで、よりドラムを楽しむことができるはず、と我々は考えています。
選ぶポイントは「ご自身の好きな音色、バンドサウンドに合わせたサウンド、憧れのドラマーと同じスネア等々…」と様々ですが、今回から3回にわたり、スネアドラムを選ぶポイントをご紹介いたします。みなさんのスネア選びのお役に立てたらと思います。
1回目の今回は「サイズの違い」に焦点を当て、サイズによる違いをひも解いていきます。
スネアドラムのサイズの呼び方

呼び方 | サイズバリエーション | 一般的なサイズ |
---|---|---|
口径 | 8~15” | 14” |
深さ | 1.5~10” | 5”、5.5” |
上図の「深さ」は「厚さ」とは呼びません。ドラムで厚さというとシェル(胴)の板材の厚さを指すのが一般的です。
口径の寸法はエッジ(下図)の頂点で測ります。フープ(金属の枠)やシェル(胴)の外径ではありません。


口径と深さそれぞれの特徴
ではここでいきなりの結論。サイズによって導き出される違いは
「口径=音の高さ(低さ)」
「深さ=低音の量」
と言って良いと考えられます。
まず口径。
口径=音の高低と言い換えてよいと考えられます。
例えばこれは、ドラムセットのタムは口径の大小で音程の高低の変化をつけることからもおわかりいただけるかと思います。

次に深さ。
深さは低音の量、低音の豊かさ、と言い換えてよいと考えています。
内部の容積が増えることにより生み出される音量感、低音の量感、とも言って良いかと考えております。
また、打面からスナッピーまでの距離が違う事により
浅ければスナッピーの反応が良くキレが良い
深ければたっぷりとした余韻のあるスナッピーサウンド
の違いがあると言えるでしょう。
もちろん、音色を司る要素はこれ以外にも材質やそのほか様々な要素があります。ここが楽器選びの楽しく難しいところですが、今回はサイズによる違いのみに焦点を当て、是非次回以降の記事とも照らし合わせてご参考にして頂けると幸いです。
サイズによる違いをチェック
では本題の、サイズによる違いを代表的なサイズ~変わりダネまで比較して選び方をご紹介しましょう。
伝統的な「14”×5”、14”×6.5”」
スネアドラムのサイズで最もオーソドックスなものがこちらでご紹介した口径14”で深さ5と6.5”です。
キレの良い5”、深みもプラスされた6.5″の違いが聞き取れると思います。

ブランド | Pearl |
型名 | US1450TS |
販売価格 | ¥45,100(税込) |
ご注文 | オンラインストア |

ブランド | Dixon |
型名 | PDSAN654GBS |
販売価格 | ¥52,400(税込) |
ご注文 | オンラインストア |
「14”×5”と14”×5.5”の違いは…」
では深さ5”と5.5”の違いはどうでしょう。音のキレや低音感はほとんど変わりがありませんね。
一般的には金属スネアでは深さ5”の機種が多く5.5”というのは少なめ、逆にウッドシェルは深さ5.5”の機種が多めです。(もちろん例外も有)
同一仕様で5”と5.5”のバリエーションがラインナップされていることはほとんどないため、5”か5.5”で迷うというよりは、材質等サイズ以外の要素が選ぶポイントになるでしょう。
いずれにしても一般的なサイズだけあって、音のまとまりの良さ、キレの良さなど、これぞスネアドラム、というサウンドがお聞きいただけるかと思います。

ブランド | TAMA |
型名 | AW455 |
販売価格 | ¥105,600(税込) |
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ブランド | CANOPUS |
型名 | JSB1455 |
販売価格 | ¥55,000(税込) |
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いいとこどりの中間サイズ「5.75”&6”」
現在ではバリエーション豊かなサイズもラインナップに加わっています。
一見中途半端に見える5.75”ですが、これは5”と6.5”のちょうど中間がその由来。
そして6”は6.5”に比べるとわずか1cmちょいの差ですが、音のキレとふくよかさの両方を併せ持つ使いやすいサイズに仕上がっています。
これらのサイズのスネアドラムはアイテム数が多いわけではありませんが、「いいとこどりの絶妙サイズ」と覚えておいて損はないかと思います。

ブランド | riddim |
型名 | #11 |
販売価格 | ¥107,800(税込) |
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ブランド | ヤマハ |
型名 | AMS1460 |
販売価格 | ¥64,900(税込) |
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ピッコロ&超深胴

ブランド | Dixon |
型名 | PDSCL413ST |
販売価格 | ¥29,900(税込) |
ご注文 | オンラインストア |
深さが4″以下のスネアドラムを「ピッコロスネア」と呼びます。
先述の「深さ=低音の量感」から考えられますように、高音域を得意とするサイズとしてこの名で呼ばれています。
国内では198~90年代位のメロコア、スカコア大流行時代、キレの良い高速ビートをカンカンに張った超ハイピッチスネアで演奏するのが主流だったこともありました。
また、タムやバスドラムによるスナッピーの共鳴が比較的少ないため、さまざまなジャンルのレコーディングシーンでも愛用されたようです。

ブランド | Dixon |
型名 | PDSAN814GBU |
販売価格 | ¥104,200(税込) |
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こちらは超深胴とよばれる8”。この深さによる豊かな低音と表情豊かなスナッピーサウンドで、ゆったりとしたビートを彩ります。
近年海外では再流行の兆しもある超深胴。動画のなかではサイドスネアとして使用されています。サイドスネアといえばひと昔前は超ハイピッチが定番でしたが、最近のサイドスネアは超ローピッチが多く見られます。
機材や音色の流行というのは面白いものです。
小口径(12”~13”)
さてここまでは口径14”で深さ違いをご紹介してきましたが、こちらでは小さい口径のスネアドラムをご紹介します。
ご紹介する2機種は、口径は小さくても深さがあるため、音程は高いながらしっかりした低音域もあり、ジャンルによっては充分メインスネアとしても使えます。
これらのサイズはこれまでいくつかのアーティストモデルも発売されていることから、サウンド的にバランスのとれたサイズであると言っても過言ではないでしょう。

ブランド | TAMA |
型名 | LBU127 |
販売価格 | ¥46,700(税込) |
ご注文 | オンラインストア |

ブランド | SAKAE OSAKA HERITAGE |
型名 | SD1365MA |
販売価格 | ¥55,000(税込) |
ご注文 | オンラインストア |
扱いやすい5”の実例
さてここでは深さ5”のスネアドラムで一般的なサウンドから超ハイピッチ、そして超ローピッチまでいろいろな音作りを試してみました。やはりオーソドックスなサイズというのはチューニングを変えた時でも即座に対応しやすいと感じました。
「ここ、試験にでるぞ~」的な今回の結論かもしれません。
スネアドラムの選び方「サイズの回」 とりあえずのまとめ

スネアドラムの、サイズによるサウンドの傾向の違い、それぞれの特徴をご紹介いたしました。
改めて比べてみますと、それぞれのサイズの長所を生かすことでよりよいスネアサウンドが作れるということや、やはりオーソドックスなサイズは万能であることなど、再確認することが出来ました。
皆さんのスネア選びの参考になると幸いです。
さて次回はスネアのシェル材質の違いからスネアドラムの選び方を考えてみたいと思います。
この記事を書いた人
札幌パルコ店 鳥塚

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ドラム情報アカウント、@tomtom_toriduka の中の人。